はぐくむ

ちいさな いのちをはぐくむ ちいさな日記です

1歳児のママに必要なスキル その1 未知とのコミュニケーション能力

ずいぶんお久しぶりの更新です。

 

小さな王子さまは靴を履いて歩き、スプーンを使って食べ絵本を楽しみ、いないいないばあ〜を自分でやって自分でウケる。なんて技も身につけてまいりました。

 

最近は〇〇したい!!

欲求を全身でうったえる。ことも覚えてきました。

欲求はあるが言葉はまだでない相手とのコミュニケーションはかなりのエネルギーを消費します。

お互いに

そして、欲求が細かくなればなるほど解答も難解になってきます。

 

キッチンに来て「あーあー」とさけぶ。

ん?何かな?

彼の目線の先を探して予測を立てる。

ん?コップかな?

わたしがコップを取ろうとすると少し落ち着いた様子で待っているので、コップなのは間違いないらしい。

いつも使うコップをとると

「んっんーダ〜」

イヤイヤと首を振って否定。え?違うの?

コップじゃないの?じゃ おやつを入れる木のお皿かな?

お皿に手をかけると

「ダ〜ううん〜」   今度は上半身を左右にひねって強い否定。

ああ〜お皿じゃないのね。やっぱりコップね。

と再びコップに手を伸ばすと少し落ち着いてわたしの手の先の行方を見守っている。

いつもので違うのだったからこっちかな?

彼の顔色をうかがいながら2番目によく使うコップをとると、「ふーんん」と笑顔。

なんだこっちだったの。

コップということは何か飲みたいということなので、冷蔵庫を開けてお茶の入ってるピッチャーを取り出すと、ハイ!そうです!

と言わんばかりにビッグスマイル。

YES

の反応は分かりやすくて助かる。

 

お茶をコップについでどうぞ〜と差し出すと、再び「ダーダーぐーううー」

お茶の入ったコップを前に地団駄付きの強い否定。

ああ〜こぼれるこぼれる!!

お茶じゃないの〜?

しかし、お茶しかないので中身の問題ではなさそうだ。

しばしキッチンを見渡して、昨日以降のことを思い出したりあらゆる可能性と予測を立てて

あ!!

ストローをコップに挿してあげると、ま〜ご満悦。自ら椅子に座って飲む気マンマンだ。

 

【お茶をスヌーピーのコップに入れてストローで飲みたい!】

 

彼の欲求はこう言うことだったらしい。

 

ここにたどり着くまでに全身を振る活用し、出せる音を出し尽くし私の予測能力と想像力に働きかける。

 

は〜

 

わたしも一緒にお茶飲んでいいかしら?

 

昼下がり 王子さまとのお茶のひと時。

未知とのコミュニケーション。

王子のゴクゴク飲む音が達成感を引き立てる。

 

 

初めの一歩

月に人類がおろした一歩。

ベルリンの壁が壊れて向こう側に踏み入れた一歩。

異国の地に希望を抱いておろした一歩。

 

彼の歴史的一歩はなんでもない日のなんでもない時間にやってきた。

 

お風呂で大好きな「いーとーまきまき」🎶を歌った後、バスタオルに包まれた彼を部屋まで連れて行くと、裸で身軽になったのか「きゃっきゃっ」と座って手を叩いてはしゃいでいる。

オムツを履かせようと近づく気配をかんじると、四つん這いになってかわいいお尻をプリプリさせながら一目散に逃げ出して、追いかけるわたしを時々確認しながら部屋いっぱいに動きまわる。

お風呂上がりの恒例の追いかけっこ。

すぐに捕まえては面白くないので (逃げてる方が)まてまてー!と追いつきそうで追いつかない、届きそうで届かない距離をキープしながら追いかける。

彼は両手と両膝を勢いよく動かして、ゲラゲラ笑いながら逃げ回る。

このゲラゲラはとっても大切で、声を出しながら逃げてくれないと敵はなかなかヘタレない。持久力は思ったよりあるので、ただ逃げたのでは追いかけるこちらが先にバテてしまう。

そろそろこちらの限界と時間の都合上着替えて欲しいこともあって、良きタイミングで、つかまえた〜と後ろから抱きかかえる。

この時、びっくりするのか勢い余っておしっこをかけられちゃうこともたまーにあるので、力まずソフトにでも劇的に。

 

そんなこんなを繰り返して、やっとの思いとなかなかの時間を費やしてお着替えを完了させると、白湯かお茶を飲んでクールダウンしてお布団に誘う。

いつもならば寝る前の一杯でかなり落ち着くのだけど、昨夜は興奮が冷めないままテンション高く動き回っていた。

違うもの飲ませちゃったかな?

 

片手を壁に添えて立ち上がった彼とフッと目が合った。彼もじっとこちらを見つめている。わたしの心が彼の深い湖の底に沈んでいくような気がしてしばらく動けないでいた。

ほんの一瞬。きっと10ヵ月を共にした母親以外は気づかないかもしれない一瞬。

彼はキリッとした表情になった。それは、世界記録を狙うトップアスリートのような、難しい手術に挑む外科医のような、スポットライトに向かう前の暗闇に立つダンサーのような、覚悟の眼差しだった。

 

その手は壁からふわりと離れ翼となって、その足は大地からゆっくり丁寧に剥がされ彼の身体のほんの少し前へ下ろされた。

思わず手を出そうとするわたしに待って!と言っているかのように、じっと見つめたまま、翼で上手にバランスを取りながらもう片方の足を前へ。

 

小さな時間の小さな一歩が彼の歴史に刻まれた日。

 

春風が吹いてチューリップが咲くぽかぽか陽気には彼と手を繋いでお散歩できるといいなぁ。

 

夜泣きな夜

満月の月明かりが窓の外を静寂で包み込み、草の葉に残された夜露は光る結晶へと姿をかえる時間。

 

何の予定も約束もしていないのに彼は突然現れる。

はじめは彼の訪問に驚きうろたえたのだが、最近はまたきた。やれやれとゆっくり構えられるようになった。

  彼とたっぷり過ごせるようにヒーターもタイマーにして待ち構えるほどだ。

そして、タイマー通りにやってくるとしめしめ。

枕元に置いてあるモコモコのカーディガンを羽織ってわざとのんびり起き上がる。

びっくりして飛び起きるなんてしてはならない。

だいたい、ポカポカのお布団から寒空の下に急に飛び出すなんて、血圧がどうにかなって体に悪そうだから。

それに、毎晩あなたを待ってる感は今は出したくない。なんだか負けちゃう気がする、来なくても平気だけど、今日もきたのね。ぐらいの余裕を見せておきたい。

 すでに布団の上に座り込み目から大粒の夜露を落としながら、この世の終わりのような声で叫び抱かれるのを待っている。

一体何が彼をここまで絶望させるのか?

中原中也の詩を思い出すほどである。

皆目見当がつかないまま、私は彼を抱き上げキルティングで丁寧に作られたベストを着せて、そろそろ暖まったであろうお部屋へと誘う。

目線の変化に一瞬戸惑うのか、それともただの小休止か?

ほんの少し目を開いてキョトンとした表情を見せる。

これは彼の得意の手法で、一瞬の安堵感を挟み第2ステージをさらに盛り上げる技なのだ。はじめはそれに翻弄されてしまっていたが、今では分かっているのよ感をタップリ出しながら、わざとのってあげている。  はず。

案の定しばらくすると第2ステージはさらに盛り上がり、抱きしめても揺らしても好物をちらつかせてもどうにもならない。

ああ…。どうしたの?

聞いても返ってくるはずのない問いかけを何度もしてみる。

 

先日出会ったお父さんは、夜の彼女を「窓から投げたくなる」と言っていた。

こんなに愛しているのに、こんなに可愛いのに。と。

もちろん、そんなことはしないのだが、気持ちはよーくわかる。だいたい、こっちは昼間も闘っているのだ。今晩寝ずに付き合った分を昼間に回すなんてことは出来ないのだ。君は今するべきことを明日の昼間にしても誰も咎めないだろう。

かわいいかわいいといわれ、寝る子は育つ!なんて究極の肯定言葉をかけられるのだ。

そんなことはお構いなく、ありったけの声で叫び続ける。夜露は滝のようになりその下の2つの洞窟からも流れ出る。

吸水性のよいタオルが大活躍している。

 

ええ。ええ。どうぞ、お気の済むままお泣きなさい。

理由はもう聴きません。

あなたにものっぴきならぬご事情がおありなのでしょうから。

今晩もとことんお付き合いいたします。どうぞどうぞ。

 

地平線のずっとずっと下に太陽が待ち構えているのを感じる時間

疲れ果てたのか、もう十分満足しているのか、夜の彼はスヤスヤと満天の星空に帰っていく。

遠くから 「わたしの中でお眠りな〜さ〜い」とジュディ オングさんが白い羽をヒラヒラさせて歌う声が聴こえる気がする。

 

真夜中 一緒にいないお父さんに  只今絶賛夜泣き中!とイタズラメールを送って。

 

また明日。

 

 

おへその下から恥骨に向けて身体の真ん中をはしるキズは今日もチクリと痛む。

雨の日や少し寒くなってくると無意識に撫でていることもある。

 

あの日が幻ではなく本当にあった優しい時間だった証。

 

 

私の幼い身体はあの時激しく抵抗した。

首の筋肉がもうこれ以上力が入らないくらいに顔を背けたし、覆いかぶさる大きな怪物を1ミリでも遠ざけられるのなら腕の骨が折れたって構わないと思っていた。

しかし、そんなことは文字通り無駄な抵抗でしかなかった。

実際は恐怖でなにもできなかったのかもしれない。声を上げることも手足をバタつかせることもできないまま、心を捨ててなにも感じていなかったのかもしれない。

死んでいよう  

そう思っていた。

 

 

あの日以来わたしは男のひとの手におびえていた。

触れられることに過敏になっていたし、初めましての挨拶の時にはその人の手をチェックすることが度々あった。

あの、欲望だけの悍ましい手に似ていないかどうか。

 

どんな手に包まれてもわたしの心がとけることはなかった。

あたたかさは優しさは感じることがあったけど、わたしの身体の中に入ることは許しても、本当のわたしの中にはどの手も触れさせなかった。

固く閉ざした扉を開ける鍵を持つ手には出会っていなかった。

 あの日の彼に包まれるまでは。

 

 

壮大な景色を眺めさせてくれて、優しく勇敢なでもどこか寂しさを感じるその言葉にいつの間にか涙が流れていた。

知らない土地をさまよい歩いてふっと探していたひとを見つけたような不思議な感覚だった。

探していたことは自分でも気づいていなかったのだが、連なる文字を綴られる言葉を見て、わたしは探していたことに気づかされた。

今思えば、その美しい言葉を打ち出す彼の手を探していたのかもしれない。

 

文字だけのやり取りはとても穏やかで楽しかった。

わたしは彼の打つ言葉に励まされ癒されていた。わたしも彼をできるだけ楽しませたいっと文字を連ねていた。実際には彼の邪魔をしていたのかもしれないけど、わたしは彼の言葉が大好きだ。

いつしか寛大な包容力のある大きなあたたかい手を想像して、いつかその手に触れたい、触れて欲しいと幻想を抱くようになっていた。

見たことも触れたこともない手が生み出す創造に尊敬と信頼を寄せるようになり、迷惑をよそにこれまで閉じ込めていたわたしの感覚を拙い言葉に置き換えてはおくりつけ、返してくれる優しさにすっかり甘える日々が続いた。

 

 

わたしの心を包んでくれた優しい時間は、脅えていた幼いわたしを心地よく葬ってくれた。

わたしの中の恐怖や寂しさを、今までずっと閉ざしていた言葉と創造をそっと引き出してくれ、空いたところに希望を静かに残しておいてくれた。

はじめて幸せなひと時に心を解き放つことができた。

 

 

わたしの真ん中にあるキズと無邪気に微笑む希望は、わたしも心を抱いてもらえた証

 

 

 

 

 

創造のそばに

「踊ること」をつかって1年前と同じ仕事をしています。

 

正しく言うと同じところからの同じコンセプトでのオファーで中身は昨年と違う味付け。と言う感じかな?

実はあと11年先までこのお仕事の依頼を受けております。

この先、創造がこんこんと湧き出る泉を手に入れたい気持ちでいっぱいで、お医者さんにも「創造が溢れ出るお薬ありませんか?」と大真面目に尋ねる始末です。

それは置いといて。

 

昨年の今頃のわたしはおなかに宿した命がスクスク育ち、踊るにはなかなか困難な状況でした。

そんなわたしに振り付けを依頼してくる方もかなりのチャレンジャーだったと思いますが、ハイ!と受けてしまう私もかなりおかしな者だと自覚しておりました。

槇村さとるさんの漫画に

ダンサーに男も女もないのよ。人生で「踊ること」が1番大事な変態なのよ」

という言葉が出てきますが、その通り変態妊婦だったと師走に入り1年を振り返っている今日この頃です。

 

さて

 

近頃ハイハイであちこち冒険し、つかまれる所あればどこでもつかまり立ってドヤ顔を魅せる彼は、1年前わたしのおなかの中で小さく丸まっていたのです。

かわいい乳歯がすでに8本も生え!うどんを前のめりで食べる彼は、1年前わたしのおなかの中で指しゃぶりしていたのです。

かわいい女の子に、集まる大人たちに天使の微笑みを振りまき、抱っこをせがむ甘えん坊の彼は、1年前わたしのおなかの中でしゃっくりをしていたのです。

 

わたしの中でわたしの創造に付き合って静かに見守っていてくれたことを今あらためて愛おしく思います。

たくさんの方のサポートをいただいて作品ができたことはわたしにとって新しい一歩でありましたし、変態であることを再認識し結構このまま生きていけそうだとポジティブになれる機会となりました。

 

ただいま創造真っ最中のそばにはやはり彼がくっついております。

流れる音楽に身体を揺らし(縦ノリ)手を叩き(これはご機嫌のしるし)踊るわたしの足につかまり立って邪魔いや、応援してくれております。

動き始めた彼こそが泉なのではないか!?とながめてしまう時もあります。

 

1年という時間の中での変化がこんなにも愛おしく尊く嬉しい流れる光であることを大切な人にも届けておきたいと思います。

 

新しい年明けの舞台に向かって 彼との楽しい創造は続きます。

 

 

 

立ち上がる

生まれたてのか細くシワシワの足は8ヶ月の日々を重ねて大地を踏もうとしている。

 

まだ柔らかいその足の裏は頼りなく、まだガクガクのその膝は不安定で、何かにつかまっていなければ、何かにしがみついていなければ、誰かに見守っていてもらわなければ危なっかしくて仕方がない。

でも、そう思うのは見ているわたしだけで、当の本人はそんなことお構いなしに何処でも立ち上がるのだ。

 

そこには今まで見たことのないものが見え、聞いていた音楽がもっと楽しく聞こえ、届きそうになかった憧れにほんの少し手が触れられる。

ような気がする。

 

何度も尻もちをつき、何度も転んじゃうけどそれでも立ち上がる。

立ち上がれる数よりもっとたくさん立ち上がろうとする。

上手く立ち上がれない時もあるけど、それでも立ち上がろうと挑む。

しっかり手をつき、しっかりしがみつき。

 

これからその足を動かし行きたいところへ、心の向くまま進んでいくのだろう。

いつかつかまっているものから手を離し、ヒョイっと軽々立ち上がるのだろう。

両手に荷物を抱えてもぐらつかないようになるのだろう。

誰かと手をつないで立ち上がる日が来るのかもしれない。

 

つまずいたり、すくわれたり、引っ張られたりして立ち上がれなくなったときは手を差し伸べてあげよう。肩を貸してあげよう。じっと見守ってあげよう。

そんな母になろう。

 

あなたは自分の力で、自分の想いで立ち上がったことをはなしてあげよう。

 

 

ちょっと大げさかな……。

 

好奇心とよだれ

人の成長を促すのは「好奇心」と 「よだれ」である。

 

それは滝のように彼の口元を流れています。

抱っこをすると私の左肩はいつも濡れて、抱っこ紐のカバーも湿り、小さなタオルが手放せませんし毎日3枚ほどのスタイを洗濯します。

誰かが食べる姿を見るといっそう激しく流れ出し、綺麗なお姉さんに抱っこされるともう止まりません。

 

んん⁉️

 

でも、おかげで初めて食べるものもしっかり消化してくれ、離乳食もスムーズに進んでくれます。

かわいいスタイをプレゼントされたり、作ってあげる楽しみも増えました。

小さな白い歯が生えて、ちょっぴり光る口元でわらう姿はまさに天使の微笑みです。

これを見れば、守ってあげたい!抱きしめてあげたい!と思うのです。

 

「よだれ」によって自分を愛おしい存在にし守ってもらい、ママの離乳食作りのスイッチをONにして、美味しいものを食べさせてもらえる最高の条件を整えるのです。

 

☆☆☆☆☆☆      ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆    

 

腹ばいになると世界はガラリと変わってきます。

目に映るコロコロした物やキラキラした物、小さな糸くずさえも彼にとっては宝物のようで、

触りたい!手にしたい!そんな好奇心が両手を突っ張り足で蹴って彼を前へ前へすすませるのです。

甘えて私の声のする方へお腹を中心に上手に回転して寄ってきてくれます。

 

それほど広くない部屋ですが、彼の毎日は大冒険。

昨日よりも遠くへ、昨日よりも速く。昨日よりも前へ。

 

自分の意思で動く、動ける喜びを小さな身体いっぱいに表す姿は頼もしくもあります。

彼の溢れる好奇心と流れるよだれは、まさに生きている証であり、生きていく源。

 

小さな命が 大きく成長しています。