ちょっとおしっこ
2歳も半年を過ぎて、車や電車、飛行機が大好きになり、恐竜のぬいぐるみを抱いて寝るやんちゃ盛りに突入しつつあります。
そして、ついにここ1週間ほどパンツオンリー生活がやってきました。
人生のほとんどを保育園で過ごす彼は日中はパンツ生活を練習中でした。
時間になっておトイレに連れていくと、トイレでおしっこする☞すごいね〜と褒められて、成功体験を味わう。しめしめなんかうれしいぞ!っということで、おしめしめとのお別れ。
という感じ。
加えておしゃべりも弾んできているので、
「ママ〜ちょっとおしっこ〜」
もちろんこの「ちょっと」はおしっこの量ではなく、おばちゃんの「ちょっとそこまで〜」と同じ使い方です。
なんだかここまできたら、あの赤ちゃんの頃のオムツ替えが遠い昔のようで懐かしい。
それでも、トイレに連れていくというひと手間は変わらずもれなくついてくるので、子育ての醍醐味はまだまだ味わえます。
排泄は食べるのと同じくらい大事な営み
「ちょっとおしっこ〜」とトイレにむかう息子の背中がたくましく。
うれしいような、さみしいような。
金木犀の香る朝です。
2歳の誕生日に
小さな命が宿ったとわかったとき
迷わず産む!と決めました
生みたい方の産みたい命でしたので、うれしくてうれしくて。
生まれた日の
「ありがとう」
これから育てていける勇気を
1歳の誕生日の
「おめでとう」
ここまで育てられた自信を
2歳の誕生日の
「おめでとう」
見守られている安心感を
他には何もいらないのです。
1年に一度のその言葉がわたし達の道しるべ
新しい年に
2018年 新しい年を迎えました。
1日1日 何かを感じ 何かをうったえ
笑って泣いて 食べて遊んでぐっすり寝て
慌ただしく過ぎる風さんとの毎日です。
最近はおしゃべりも上手になってきて、言葉でコミュニケーションをとることが彼にとっては新鮮で面白い様子です。
それでもまだまだ、伝えられる力は頼りなく、不安定。だから、全身をつかっての「語尾ニケーション」です。
「あけ てー」「とっ て〜」「だっ こー」「い こー」「いや だー」「ちーし たー」「い たい、い たい」「ありが とー」 「ちょう だい」
語尾だけを連発するので、ほぼた行の連続
話せるって素敵ね〜
「食べたいの?」「うん」
「抱っこなの?」「うん」
2人の距離はぐんぐん近づいて、もう何も言わなくてもお互いを感じられます。
イヤ。
そんなことはない。
やっぱり伝えたいことはしっかり言葉に出さなくちゃ!
「てー」「して〜」「だい!」
語尾ニケーションは日々進化しています。
☼+:;;;;:+☼+:;;;;:+☼+:;;;;:+☼+:;;;;:+☼+:;;;;:+☼
伝えたいことはいっぱいあって、時々文字にして紙ヒコーキで飛ばすけれど、もう届かないのか?開きたくないのか?
届いてはいるのかなぁ?
わたし以外の言葉に元気づけられているのなら、それはそれでいいこと。
そう想いながらも、わたしの香りを忘れられてしまうのはなんだか寂しい。
なんてねちっこいことも片隅でおもったり
ただ、そばで大きくはぐくまれていく命はわたしの尊敬する命にゆっくり似てきて、時々くすっとあたたかい風を頬にあててくれるのです。
そして、わたしはそれだけで充分なのです。
希望の光だけは忘れないで時々思い出してくれていると信じて。
地上80㎝の世界
世界は優しく儚く美しい
子供を育てる中でどうしても伝えておきたいことのひとつです。
伝えることが出来たらいいなぁ〜と思っていることです。
風さんはお靴を履いて歩けるようになり、毎日ご機嫌でとことこ歩きます。
お家の周りも、スーパーも保育園への道のりもそれはそれは楽しそうに歩きます。
歩くことがこんなに幸せでエネルギーに満ちた行為だと気づくのは、歩きはじめたこの頃と歩くことが困難になる時なのだと思います。
地上80㎝を眺めながら好奇心がズンズン進んでいくのです。
ふと立ち止まり小さな石ころを拾います。
溝の下に流れる水を穴からぐい〜と覗き込みます
葉っぱに登るアリさんを うわっ!うわっ!と声をあげて大発見の様子です。
わたしの人差し指を小さな5本指でしっかり握って、わたしの一歩を風さんは何歩も大地を踏んで進むのです。
わたしには見えない、いや、昔は見えていたはずだけど見なくなってしまった世界を立ち止まり、振り返り見せてくれるのです。
しゃがむと同じ世界が見える。
抱っこすると同じ世界を見れる。
はぐくむ喜びです。
お散歩はなかなか進みませんが風さんにとっては一歩一歩が大冒険。
ゆっくり少しずつ前へ。
2人の間の風が秋への希望を運んでくれます。
9月の満月の日に
1歳児のママに必要なスキル その1 未知とのコミュニケーション能力
ずいぶんお久しぶりの更新です。
小さな王子さまは靴を履いて歩き、スプーンを使って食べ絵本を楽しみ、いないいないばあ〜を自分でやって自分でウケる。なんて技も身につけてまいりました。
最近は〇〇したい!!
の欲求を全身でうったえる。ことも覚えてきました。
欲求はあるが言葉はまだでない相手とのコミュニケーションはかなりのエネルギーを消費します。
お互いに
そして、欲求が細かくなればなるほど解答も難解になってきます。
キッチンに来て「あーあー」とさけぶ。
ん?何かな?
彼の目線の先を探して予測を立てる。
ん?コップかな?
わたしがコップを取ろうとすると少し落ち着いた様子で待っているので、コップなのは間違いないらしい。
いつも使うコップをとると
「んっんーダ〜」
イヤイヤと首を振って否定。え?違うの?
コップじゃないの?じゃ おやつを入れる木のお皿かな?
お皿に手をかけると
「ダ〜ううん〜」 今度は上半身を左右にひねって強い否定。
ああ〜お皿じゃないのね。やっぱりコップね。
と再びコップに手を伸ばすと少し落ち着いてわたしの手の先の行方を見守っている。
いつもので違うのだったからこっちかな?
彼の顔色をうかがいながら2番目によく使うコップをとると、「ふーんん」と笑顔。
なんだこっちだったの。
コップということは何か飲みたいということなので、冷蔵庫を開けてお茶の入ってるピッチャーを取り出すと、ハイ!そうです!
と言わんばかりにビッグスマイル。
YES
の反応は分かりやすくて助かる。
お茶をコップについでどうぞ〜と差し出すと、再び「ダーダーぐーううー」
お茶の入ったコップを前に地団駄付きの強い否定。
ああ〜こぼれるこぼれる!!
お茶じゃないの〜?
しかし、お茶しかないので中身の問題ではなさそうだ。
しばしキッチンを見渡して、昨日以降のことを思い出したりあらゆる可能性と予測を立てて
あ!!
ストローをコップに挿してあげると、ま〜ご満悦。自ら椅子に座って飲む気マンマンだ。
【お茶をスヌーピーのコップに入れてストローで飲みたい!】
彼の欲求はこう言うことだったらしい。
ここにたどり着くまでに全身を振る活用し、出せる音を出し尽くし私の予測能力と想像力に働きかける。
は〜
わたしも一緒にお茶飲んでいいかしら?
昼下がり 王子さまとのお茶のひと時。
未知とのコミュニケーション。
王子のゴクゴク飲む音が達成感を引き立てる。
初めの一歩
月に人類がおろした一歩。
ベルリンの壁が壊れて向こう側に踏み入れた一歩。
異国の地に希望を抱いておろした一歩。
彼の歴史的一歩はなんでもない日のなんでもない時間にやってきた。
お風呂で大好きな「いーとーまきまき」🎶を歌った後、バスタオルに包まれた彼を部屋まで連れて行くと、裸で身軽になったのか「きゃっきゃっ」と座って手を叩いてはしゃいでいる。
オムツを履かせようと近づく気配をかんじると、四つん這いになってかわいいお尻をプリプリさせながら一目散に逃げ出して、追いかけるわたしを時々確認しながら部屋いっぱいに動きまわる。
お風呂上がりの恒例の追いかけっこ。
すぐに捕まえては面白くないので (逃げてる方が)まてまてー!と追いつきそうで追いつかない、届きそうで届かない距離をキープしながら追いかける。
彼は両手と両膝を勢いよく動かして、ゲラゲラ笑いながら逃げ回る。
このゲラゲラはとっても大切で、声を出しながら逃げてくれないと敵はなかなかヘタレない。持久力は思ったよりあるので、ただ逃げたのでは追いかけるこちらが先にバテてしまう。
そろそろこちらの限界と時間の都合上着替えて欲しいこともあって、良きタイミングで、つかまえた〜と後ろから抱きかかえる。
この時、びっくりするのか勢い余っておしっこをかけられちゃうこともたまーにあるので、力まずソフトにでも劇的に。
そんなこんなを繰り返して、やっとの思いとなかなかの時間を費やしてお着替えを完了させると、白湯かお茶を飲んでクールダウンしてお布団に誘う。
いつもならば寝る前の一杯でかなり落ち着くのだけど、昨夜は興奮が冷めないままテンション高く動き回っていた。
違うもの飲ませちゃったかな?
片手を壁に添えて立ち上がった彼とフッと目が合った。彼もじっとこちらを見つめている。わたしの心が彼の深い湖の底に沈んでいくような気がしてしばらく動けないでいた。
ほんの一瞬。きっと10ヵ月を共にした母親以外は気づかないかもしれない一瞬。
彼はキリッとした表情になった。それは、世界記録を狙うトップアスリートのような、難しい手術に挑む外科医のような、スポットライトに向かう前の暗闇に立つダンサーのような、覚悟の眼差しだった。
その手は壁からふわりと離れ翼となって、その足は大地からゆっくり丁寧に剥がされ彼の身体のほんの少し前へ下ろされた。
思わず手を出そうとするわたしに待って!と言っているかのように、じっと見つめたまま、翼で上手にバランスを取りながらもう片方の足を前へ。
小さな時間の小さな一歩が彼の歴史に刻まれた日。
春風が吹いてチューリップが咲くぽかぽか陽気には彼と手を繋いでお散歩できるといいなぁ。
夜泣きな夜
満月の月明かりが窓の外を静寂で包み込み、草の葉に残された夜露は光る結晶へと姿をかえる時間。
何の予定も約束もしていないのに彼は突然現れる。
はじめは彼の訪問に驚きうろたえたのだが、最近はまたきた。やれやれとゆっくり構えられるようになった。
彼とたっぷり過ごせるようにヒーターもタイマーにして待ち構えるほどだ。
そして、タイマー通りにやってくるとしめしめ。
枕元に置いてあるモコモコのカーディガンを羽織ってわざとのんびり起き上がる。
びっくりして飛び起きるなんてしてはならない。
だいたい、ポカポカのお布団から寒空の下に急に飛び出すなんて、血圧がどうにかなって体に悪そうだから。
それに、毎晩あなたを待ってる感は今は出したくない。なんだか負けちゃう気がする、来なくても平気だけど、今日もきたのね。ぐらいの余裕を見せておきたい。
すでに布団の上に座り込み目から大粒の夜露を落としながら、この世の終わりのような声で叫び抱かれるのを待っている。
一体何が彼をここまで絶望させるのか?
中原中也の詩を思い出すほどである。
皆目見当がつかないまま、私は彼を抱き上げキルティングで丁寧に作られたベストを着せて、そろそろ暖まったであろうお部屋へと誘う。
目線の変化に一瞬戸惑うのか、それともただの小休止か?
ほんの少し目を開いてキョトンとした表情を見せる。
これは彼の得意の手法で、一瞬の安堵感を挟み第2ステージをさらに盛り上げる技なのだ。はじめはそれに翻弄されてしまっていたが、今では分かっているのよ感をタップリ出しながら、わざとのってあげている。 はず。
案の定しばらくすると第2ステージはさらに盛り上がり、抱きしめても揺らしても好物をちらつかせてもどうにもならない。
ああ…。どうしたの?
聞いても返ってくるはずのない問いかけを何度もしてみる。
先日出会ったお父さんは、夜の彼女を「窓から投げたくなる」と言っていた。
こんなに愛しているのに、こんなに可愛いのに。と。
もちろん、そんなことはしないのだが、気持ちはよーくわかる。だいたい、こっちは昼間も闘っているのだ。今晩寝ずに付き合った分を昼間に回すなんてことは出来ないのだ。君は今するべきことを明日の昼間にしても誰も咎めないだろう。
かわいいかわいいといわれ、寝る子は育つ!なんて究極の肯定言葉をかけられるのだ。
そんなことはお構いなく、ありったけの声で叫び続ける。夜露は滝のようになりその下の2つの洞窟からも流れ出る。
吸水性のよいタオルが大活躍している。
ええ。ええ。どうぞ、お気の済むままお泣きなさい。
理由はもう聴きません。
あなたにものっぴきならぬご事情がおありなのでしょうから。
今晩もとことんお付き合いいたします。どうぞどうぞ。
地平線のずっとずっと下に太陽が待ち構えているのを感じる時間
疲れ果てたのか、もう十分満足しているのか、夜の彼はスヤスヤと満天の星空に帰っていく。
遠くから 「わたしの中でお眠りな〜さ〜い」とジュディ オングさんが白い羽をヒラヒラさせて歌う声が聴こえる気がする。
真夜中 一緒にいないお父さんに 只今絶賛夜泣き中!とイタズラメールを送って。
また明日。